「でっ出来たぁ♪」

うさぎはそう叫びながら慌ててそのある物をラッピングする。気がついてみるともう空には朝日がたちのぼっていた。

うさぎは急いで着替えていると突然地震が起きた。しかしその地震もすぐにおさまり、そのまま“行ってきま〜す”と言って家を出た。

歩いている間も何回か地震が起きていたが気にせず歩きつづけた。そしてしばらく歩いていると前から歩いて来る人に気づく。

「……星野……」

「お団子……今…お団子の所に行こうと思ってたんだ………」

「私も星野に逢いに行こうと思っていたんだよ………」

「お団子…あの……あのさ……」

星野が何かを言おうとした瞬間うさぎがそれを中断させた。

「やっぱり……キンモク星に帰るんだね………」

「知ってたのか?」

「うん……なんとなくそうじゃないかと思ってた……」

「お団子…俺お前といれた時間すごく楽しかったよ……本当にありがとう」

「私の方こそ本当にありがとう……星野には色々な事教えてもらったり、与えてもらったり……

星野と一緒にいるだけで幸せになれたの……キンモク星に帰っても元気でね……」

そういって星野にお礼を言うとうさぎはバックからキレイにラッピングしてある物を取り出しそしてそれを星野に渡した。昨日夜通しで作っていた物だ。

「開けてもいい?」

うさぎがうなずいているのを確認すると星野はプレゼントを開けた。そしてそこにあった物それは手作りのピアスだった。

「ゴメンね!すごく下手なんだけど……星野シルバー好きでしょ?だから………」

「……ありがとう大切にするよ……それじゃあ俺の方も……」

そう言うと星野はいつも大切につけていたシルバーのピアスを取りそれをそのままうさぎの耳にはめた。

「うん!けっこう似合ってるよ!」

「ありがとう……これからもずっとこのピアスつけてるね!」

うさぎの方も作ったピアスをそっと星野の耳にはめる。

「そっちもなかなか似合ってると思うよ!」

「そうか?ほら俺ってやっぱもとがいいからさ!!」

「また言ってるよ!この人ってば☆」

2人の和やかな時間がそこにはあった。しかしそんな時間は長くは続かない。

「俺……そろそろ……いかなくちゃ………」

「……そうか……そうだよね……またね………」

そういって星野が大気達の待っている家に帰ろうとしたそのときまた地震が起きる。

しかも今までのとは違い、ちょっと大きな地震だ。その地震に心配そうにうさぎをみる星野に

「あたしは大丈夫だから……行って?みんな待ってるよ………」

そう笑顔で言って星野を家に帰らせた。

 

星野は自宅へと帰るとみんなキンモク星に帰る準備をしていた。火球は星野を見ると

「いいのですね?星野……」

「はい……戻りましょう……キンモク星に……」

と言って自分の荷物を急いで片づけ火球達の元にやってきた。そのとき夜天がふと気づいたように

「ねぇところでなぁにそのピアス?微妙によがんでるんだけど?」

「ホントどうしたんですか?誰かに頂いたんですか?」

星野は照れながらそのもらった人の名前を言おうとしたが、その様子を見た2人が

「照れてるって事は彼女にもらったんですね?」

「しかもそれ手作りだろ?そんなよがんだ作り方するのってあの子しかいないもんね☆」

大気の推理もすごいが、ピアスの微妙なよがみから作ったのがうさぎと推理する夜天も大したものである。

また火球は星野の幸せそうな顔を見て微笑んでいた。そしてそんな幸せもつかの間、また大きな地震が起きる。

しかも地震は徐々に大きくなってきているような気がした。ふと星野の脳裏に不安がよぎる“お団子は大丈夫なのか”と。

そしてそんな様子を見た星野に火球は笑顔で“行ってらっしゃい”と言い、星野は急いでうさぎのもとへと走った。

そしてしばらくたって大気と夜天にも不安がよぎったのか星野の後を追いかけた。星野が走っている途中何度も地震が起きる。

そのたび“早くあいつを見つけないと”と思った。

一方うさぎの方も地震が大きくなるにつれ不安になり、一歩も動く事の出来ない状態だった。そう…うさぎはずっと星野と別れたあの場所にいたのだ。

うさぎは身をうずくまって震えている。そしてうさぎを探しに来た星野もその場所へと向かっていた。

星野はミラーハウスの出来事を思い出し、うさぎが恐わくてきっと動けないのではないかと思ったのだった。

「お団子……じっとしてろよ……今俺が行くから……」

そんなことをつぶやきながら星野は走った。

“……恐い……ミラーハウスの時と同じだ……全然動けなくて……情けない……”うさぎはそんな事を思っていた。

しかし、自分でも気づかない心のどこかでもしかしたら星野が来てくれるのではないかと思っていた。

そして何度目だろう今までで最大の地震が起きたのだ。そしてようやく星野もうさぎの姿を見つけると一目散に走った。

そして走っている時星野はうさぎのすぐ側の電柱がものすごく揺れ、ヒビが入っていくのが見えた。そうそれはいつ崩れてもおかしくない電柱へと姿を変えて行ったのだ。

星野は力一杯に

「お団子―!!!!」

とそう叫んだ。その声に気づいたのかうさぎが振り返ろうとした瞬間うさぎのそばにあった電柱が崩れ始めた。

そして気づいた時にはもう自分の方に崩れた電柱が降ってこようとしていたのだった。

………だめだ……避けられない………

そう思いうさぎは瞬時に目をつぶった。

 

何秒くらいたっただろう……とっさに目をつぶったのに何もない……うさぎはおそるおそる目を開けた。

「大丈……夫か?」

「星野……星野……」

目を開けて見た光景〜それは自分の体で電柱を支え、血を流している星野の姿だったのだ。しかもその電柱はいつ崩れてもおかしくない状態なのだ。

星野は傷ついた体でうさぎに必死に話し掛ける。

「早く……ここから……逃げろ……」

「星野…星野…」

あまりの光景にうさぎはパニックを起こしそこから動く事が出来ない。そしてそんなうさぎを見て星野はやさしく微笑む。

「そんな…顔…すんな…よな……俺は…平気…だから……」

そう言ってみせたが星野の体は徐々に弱まっていっている。

「お団子に出会えて……本当によかった……幸せだったよ……」

「なに……なに縁起でもない事言ってるのよ!これからみんなでもっと幸せになるんだから……星野はいい人だからもっと幸せになるよ!だから!」

「聞いてくれ……俺はお前に…想いが届かなくて…辛かった……だけど……そこに…どんな運命が…待っていたとしても

……俺は……お前に出会えて……よかった……それだけでよかったんだ……例え……どんな運命が待っていても……生まれて来たかった……」

「私も、星野に出会えて本当によかった…だからねぇ星野そんなこと言わないで!!」

そう言ううさぎの目からは大粒の涙が溢れていた。そしてそんなうさぎを愛しそうに見つめながら星野のまぶたがゆっくりとおちていく。

「やだ!!やだよ星野!あたしを置いていかないで……おねがい!!」

うさぎが必死に泣き叫ぶと星野がゆっくりと目を開けた。

「大丈夫だよ……お団子……俺はいつでも…お前の側にいる……例え……この声が届かなくても……姿が見えなかったとしても……

ずっとずっと……そばにいるから……辛い時には…すぐに飛んで行く……お前のその手を……ずっと握っているから……」

「……星野……」

「忘れ…ないで……」

そう言うと星野は力一杯うさぎの体を突き飛ばした。そして“好きだよ…ずっと…”と言いながら微笑みそっと瞳を閉じた。

そしてそれと同時に星野の体を覆いかぶさるようにして電柱が崩れ落ちた。その瞬間うさぎは何が起きたのか理解できなかった。

そしてひたすらその電柱のかけらをどけようとする。手はどんどん血で赤く染まっていったが、うさぎはその手を止めようとはしなかった。そしてその時

「どいて!!」

「スター センシティブ インフェルノ!!」

星野の後を追っていた夜天と大気、いやヒーラーとメイカーがそう叫び一瞬にして崩れた電柱は粉々になった。3人は星野の所へ急いだ。

 

 

「星野!星野!!」

何度も何度もそう呼んでも星野が再び目を開ける事はなかった。そしてその時様子を見に来た火球も星野のもとへと行く。

「私のせいよ……私なんかをかばったから星野は……」

「そんなことはないわ……星野はあなたをかばいたかったから……」

泣きじゃくるうさぎを火球や夜天や大気が慰めたが

「私なんかがいなければ星野は!!」

そう言った瞬間“バシッ”とうさぎは頬を叩かれる。そしてそんなうさぎの頬を叩いたのはなんと火球プリンセスだった。そんな火球に夜天と大気は驚く。

「星野の気持ち分かって下さい……何の為にあなたをかばったのか……あなたがそんな事を言っていては星野は!!」

「分かってる、分かってるよ!だけど!」

そう言ってうさぎはその場から逃げるように走り去った。そしてそんな様子を見ていた夜天が

「大丈夫でしょうか?プリンセス……」

「大丈夫ですよ2人とも……彼女はゼッタイに戻ってきます……星野の気持ちも分かってくれるでしょう……私は彼女の事をそう信じていますよ……」

「ええ…プリンセス……私達も彼女を信じています………」

 

うさぎは星野と最初に会った場所に向かう。そしてつぶやくように

「ねぇ…星野…どこ?出てきてよ!ねぇ星野どこにいるの?」

そう言いながら星野を探す。星野はもういない……そう分かっているのだが信じられなかったのだ。そして一の橋公園、遊園地へと向かった。

遊園地は地震の影響で立ち入り禁止となっていたがうさぎはそこに無理矢理入って行った。

ジェットコースターや観覧車やプラネタリウムなど全ての所を探すが星野はいない……そして何時の間にか夕日も沈み空には一番星が出ていた。

辺りはどんどん暗くなる。そしてうさぎはなにかに呼び寄せられるようにあの2人で行った約束の場所へと行った。

「星がキレイだよね……星はあの日と変わらないのに……」

……そう…この場所もあの星空も何も変わらないのに隣にいた星野はもういない……うさぎはひざを抱えながら震えるように一人泣いていた。

それからどれほどの時間が経ったのだろう……うさぎはふと満天の星空を見上げていると

……たとえこの肉体が滅んだとしてもまた出会って星を見よう……

あの日の星野の言葉が急にうさぎの脳裏に蘇った。うさぎはつぶやくように

「そうかな?またあたし達出会う事が出来るのかな?」

………だってまた会うんだろ?じゃあさよならじゃない………

「でも星野は姿が変わっても私だと分かる?」

……どんなに姿が変わったとしても  俺は必ずお前を見つけ出す……

うさぎの脳裏に次々とあの日の星野の言葉が蘇った。

 

「この気持ちは姿が変わっても変わらないのかな……」

……どんなに文明が発達しても   この星空はずっと変わらないんだ……

様々な星野の言葉を思い出すたびうさぎは少しずつおちつきを取り戻した。

どんな運命が待っていても生まれて来たかった……そう言った星野。そして忘れないでと言った

“たとえ声や姿が見えなくてもずっとそばにいる……お前の手をいつも握っているから”と言う言葉が心にいつまでもいつまでも響いていた。

 

次の日の朝うさぎは火球プリンセスのもとにやって来た。星野にお別れを言いに来たのではなく約束を言いに……

「頬まだ痛いですか?」

火球は心配そうにうさぎにそう言う。するとうさぎは笑顔で

「大丈夫です…こちらこそああ言ってもらえてよかった」

と答えた。そして夜天と大気がうさぎの元に来てある物を見せた。それは星野がファイターになる時のアイテムとなる物だった。

「それは星野のポケットに入っていたものだよ……」

「あの日星野のポケットにはこれが入っていたのです」

「えっ?」

「つまり星野はファイターになれたんだ。でもファイターになるよりも先に君をかばった」

「変身すれば簡単に君を助けられる…そう思う事よりも真っ先に体が動いたんですね」

「それだけ君の事深く愛していたんだ………」

そう2人が言い終わった時うさぎの目からは大粒の涙が溢れていた。

「やだなぁ……もう泣かないって星野と約束したのに……」

「さぁ涙を拭いて星野の所へ行ってあげて下さい」

「星野は君の事待ってるよ」

そして3人が星野の元へと案内する。そしてうさぎは星野の所へ行くと笑顔で話しかけた。

「ねぇ星野……約束したよね……また一緒に星を見るって……あたしこの命を精一杯生きるから……どんなに辛くっても苦しくても……

この身が滅びるその時まで精一杯生きるから………たとえまた出会うその時まで何万年、何千年かかろうと……信じてるから………

もう一度あなたに出会えるって……信じてるから………」

 

そう言うとうさぎは星野のまぶたにそっとキスをした。

「私もあなたのように人の心に光りを投げかけることの出来るような人になるよ……」

だから見ていてとうさぎが心の中でつぶやいているとふと指先に暖かい空気が流れた。

……お前の手を握っているから……そう言ったとおり、うさぎの手を握ってくれたのだ。

「僕達も君に負けないようにがんばるよ」

「辛い時にはいつでも言って下さい私達だってかけつけますから……」

「そしてたまには私達のキンモク星にも遊びに来てくださいね……」

そう言って3人はもの凄いスピードでキンモク星へと帰っていった。

 

 

「うさぎちゃん本当にいいの?」

「大丈夫だよ!だから安心して亜美ちゃんも、まもちゃんも、はるかさんやみちるさんも外国に行って!」

星野が居なくなってしまった事でうさぎが落ち込んでいるのではないかと心配しみんなが外国に行くのを取りやめようとしていたのだった。

「それに私約束したの……がんばるって!それにそれはみんなの夢でしょう?後悔だけはして欲しくないの……

自分の気持ちに正直に生きて欲しい…私は大丈夫だって!!」

そういって見上げたその空は澄みきった青空だった。まるでうさぎの心のように………

 

……俺達の出会いが偶然じゃないのなら必ず出会える………

…………………また会えるよ………………

……どんなに姿が変わったとしても必ず見つけてみせる………

……………俺は必ずお前を見つけだすよ…………

……………肉体が滅んでも心までは消えない………

…………俺の心はお前の事をいつまでも覚えているから………

 

あれからいったいどれだけの時が経っただろう……文明は本当に進化した。道路には車が浮かびながら走っている。

遠くへの移動は瞬間移動の箱があってその中に入り目的地をコンピュータに入力すると瞬時にその場所へと移動する。

しかし文明はいかに発達しようとも空に浮かぶあの星空はあの日のままだった。文明がどんなに発達しても星にあこがれる人々の気持ちは変わらないのだろう……

この時代にもプラネタリウムと言う物が存在している。そしてそこに毎日のように通う一人の少女がいた。

「やっぱり星ってキレイだなぁ!」

そう言った少女の髪はとてもキレイな長い金髪だった。しかしなんとも変な頭をしているお団子頭の少女は耳にシルバーのカッコイイピアスを付けていた。

プラネタリウムが終わった後少女の目からは涙が溢れていた。その時ぼーっとしていたせいなのか、持っていた荷物をバサバサっと落としてしまう。

その様子をとなりでみていた少年が“プッ”っとふきだしながら拾うのを手伝う。その少女の髪型も変わっているがその少年も髪型をしている。

まるでしっぽのようにながい黒髪〜しかしその髪型はとても少年に似合っていた。そして耳には妙によがんだシルバーのピアスをつけている。

そして目が合った瞬間不思議な感覚に2人は陥った。しばらくして少年が口をひらく

「泣いたり、笑ったり、ドジやったり……おかしな奴!」

「なっなによぉ……そっちこそ見ず知らずの乙女にそんな事言うなんて!」

「ふぅん……じゃあ君なんて名前なの?」

「わっ私は……」

少女が自分の名前を言おうとした瞬間

「いいや!お前の事、お団子って呼ぶから!」

「お団子って私には可愛い名前があるのに〜」

少女はそう言っていたが“お団子”と言うその呼び名にどこか懐かしいような、暖かいようなそんな気持ちで胸がいっぱいだった。

「じゃあまた明日ここに来いよ!その時お団子の名前教えてもらうからさ!」

そう言うと少年は少女に背を向け“じゃあな”と手を振って、プラネタリウムの出口に歩いていった。少女は慌てて少年にこう叫ぶ

「私あなたの名前をまだ聞いてない!なんて名前なの?!」

「俺の名前も明日教えるよ!それでとっておきの場所に連れてってやるから!!」

「きっと!きっとだよ!」

そう言った少女の目からは涙が溢れていた。そうプラネタリウムで星を見た時に流す涙と同じような涙だ。なぜ涙が出るのか自分でもよく分からなのだが、

ただもう一人の自分が“また出会う事ができた”という喜びの涙を流している事だけは分かった…………

 

 

…………ねぇ星野……運命の出会いはあるよね?……………

…………私達がもう一度出会う事は………

………そう…たやすい事ではないけれど………

………もう一度出会えると言ったあなたの言葉を信じてる………

…………たとえ……どんなに姿が変わっても………

………私もあなたに会った瞬間……あなただと分かるよ………

…………そしてまた一緒に………星を見ようね…………

 

 

 

 

 

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あとがき

さていかがだったでしょうか?ぼんさんに贈らせていただいた贈り物小説の第一作目となった星空の約束です。 

こんな駄文を快く受け取ってくださりそしてぼんさんのHPにまで載せてくださり本当にありがとうございました。ここから私の創作小説は始まりました。

はっ(@o@)考えてみるとこの小説が私が始めて書いた小説でもありました〜!はずかしい!!

それにしてもこのような結末で本当にヒンシュクものですね!スイマセン。言い訳になるのですが、この小説は故新山志保さんの追悼小説という事で書いた小説でした

ですので、どうしてもこのような形になってしまったのです・・・・・しかしファンの皆様を不快にさせてしまったかもしれません。

もしそうならば心からお詫び申し上げます。でも星野君がこうなってしまったのは今回が最初で最後ですので!!

それではとても長い駄文小説でしたがここまで読んでくださった皆様本当にありがとうございました。

 

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